カラス照明撃退

「スポットライトのような強い光を当ててしまうと絵画に影が出来てしまいます。それを避けるため、小型のLEDを採用しました。小型にすることでむらがなく絵画に光を当てることができます。黄色と白の2色で、絵画によっても異なりますが、だいたい20個くらいの照明で1枚の絵画を照らしています。初めての試みなので、運用がしやすい工夫もしました。全館8,000個の照明を、2メートル間隔で同じ色をグループ化して管理室で調光できるようになっています。また、どこを照らせばいいのか分からなくならないよう、LEDにレーザーポインターを逆ねじではめ込るようになっています。レーザーポインターでどこを指しているのかが分かり、レーザーポインターを軸にしてくるくると位置の変更もできる仕組みになっています。」

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LED照明はわずか63ミリの天井の穴に設置されている。よく見るとライトが入っていないものがあるが、これは空調用の穴だそう。それ以外にも排煙口や煙感知器、防音スピーカーやスプリンクラーなど防災や法規上必要なものがこの小さな穴の中に設置されているのだ。コンセントは溝部分にあったりと、カラス撃退極力鑑賞の妨げになる絵画以外のものは目につかないようにという配慮がされている。
また、足音が気にならないように床は特注のゴムチップを採用。ギャラリーごとに壁の色が変わったり、天井高や廊下の幅も変わったりと、長時間眺めていても飽きにくい・疲れにくい工夫がされている。

カラス撃退

ホキ美術館は、創設者である保木氏が写実絵画を趣味で集めていたことからはじまった。保木氏の自宅の隣がたまたま空き家になり、そこを購入して年に1回、近所の人にも見てもらいたいと絵画を飾り解放。玄関に立札をかけただけで特に宣伝もしていなかったのに、口コミでどんどん人が人を呼んだそうだ。
グリーン レーザーホギメディカルの本社や工場などの設計を担当していた日建設計に保木氏が「美術館を創りたい」と声をかけ、構想から5年がかりでオープンとなった。設計、建築に携わる人全員が、「写実絵画を快適に見られる環境」にこだわり抜いて出来上がった美術館である。